とうとう聖地サンティアゴ･デ･コンポステーラにつきました。 オブラドイロ広場に立ちはだかるように建つ大聖堂。 堂々と威厳を保ちながらも塔の上では聖ヤコブ像が長い巡礼を終えた人々を暖かく迎えてくれていました。

大聖堂の横に建っているパラドールの名は「レイエス・カトリコス」つまり「カトリック両王」のことです。１４９９年にイサベル女王とフェルナンド王が巡礼者の為に建てた病院兼宿泊所でした。 現在はレオンのパラドールと並んでスペインで最高級の５星のホテルです。外観はレオンよりもすっきりしていますが、大聖堂の隣ですからシンプルでよいと思います。正面玄関はプラテレスコ様式の細かい彫刻が施されていました。 またホテルは４つに区切られていてそれぞれの部屋はマタイ、ルカ、マルコ､ヨハネと４福音書の名前がついたパティオを囲んでいます。趣のある素晴らしいホテルです。２泊しましたが、ここに泊まるのも目的の一つでしたので、現実になってこんな贅沢をしていいのかしらと思ってしまいます。

翌朝、集合時間が１０時ですから、その前に一人で大聖堂に行って来ました。正面入り口はまだ閉まっているので北門から入ります。パラドールの隣ですから大体分かります。 アーチをくぐり大聖堂に沿ってしばらく歩くと広場があって、古めかしい入り口があります。ここから入って良いのかしら？・・・と入った瞬間、石造り特有のヒヤッとした空気が顔を撫で身体を包みます。 凄い！それしか言葉が出ません。荘厳という言葉は当てはまらない、なんと表現したらいいのでしょうか。言葉を探しても見つかりません。今まで見た大聖堂とは規模が違うのです。ただただ立ちすくんでいるだけでした。

聖堂内はものすごく広いです。早朝ですがもう何人か入っていました。巡礼の方が着いたばかりなのでしょうか。リュックを足下に置いて膝まついてお祈りをしていました。その真剣な姿を目にしてハッとします。観光気分の私でしたから。私もまず椅子に腰掛けここに来られたことを感謝しました。 祭壇のヤコブ様を見てから正面の栄光の門に回ります。 門の上のタンパンにはキリスト像が、その下に聖ヤコブ像が・・・キリストの家系図を表したエッサイの木の柱の上に立っていました。キリストと聖ヤコブ像は正面の栄光の門から入った巡礼者を温かく迎えています。ここを目指して長い道のりを歩いてきた巡礼者はキリストと聖ヤコブ像と向かい合ってどんなにか感激するでしょうね。 聖ヤコブは右手に「主が我をつかわせり」との巻き物を、左手に杖を持っています。現在は柵があって近づけませんがエッサイの木の柱には到着した巡礼者が触った５本の指の窪みがついていました。多くの方が感激しながら触ったのですね。