バレンシアの火祭り

ファジャス(スペイン語、Ｆａｌｌａｓ)は、バレンシアにおいて、守護聖人サン・ホセの祝日３月１９日を祝うために
毎年３月１５日から１９日まで５日間開催される伝統ある祝祭です。
日本ではバレンシアの火祭り、サン・ホセの火祭りなどと紹介されています。

セビリアの春祭り（４月）、 パンプローナのサン・フェルミン祭（７月）とともに、スペインの３大祭りのひとつとされています。

私達は献花行列が行われる最終日前日の１８日、クライマックスの張り子の人形を燃やすクレマの最終日１９日の２日間を観光しました。それはそれはエキサイティングな２日間でした。


３月１８日

華やかな献花行列

バレンシアの火祭りは火焚き"クレマ"だけではありません。とても華やかなお祭りなのです。
聖母マリア様に捧げる為にバレンシアの伝統衣装を着てブーケを持ち、街の中心を練り歩く行列が観られます。

地区ごとの団体が順番にパレードをしますので次々とパレードが続きます。美しく着飾って歩く人達、女性が殆どですが、楽団や花車のパレードも観られました。通りの両脇には溢れんばかりの見物人です。写真を撮る為に前に出たくてもぎっしりの人で出られません。


パレードがきました。背伸びをしながら一生懸命に撮ります


写真が撮れなくても心配ありません。パレードは次から次へと続きます


通りの両側には観光客でいっぱい


献花行列の衣装は１９世紀頃のバレンシアの衣装。
１着仕立てるのに７５万円を下らないそうです。




沢山の花を積んだ花車も

　
楽団のパレードも







子供も赤ちゃんもおめかししてお父さんやお母さんに手を引かれたり抱っこされて行列に加わります。

小さい頃からの風習ですからバレンシアの人々にとって大切なお祭りです。

それぞれ白いブーケを手に持って・・・

そのブーケはマリア広場に立つ聖母マリア像に献げます。

白いマントを身につけた大きなマリア様が出来上がります。


マリア広場の聖母マリア様


　

献花行列のゴールはヴィルヘン広場（マリア広場）です。広場の真ん中に大きなマリア像が立っています。ピンク色をしたバジリカ教会、そして隣りに大聖堂が建っています。主役はバジリカ教会のようです。花のカーテンが制作中でした。

　　　　　　
行列の人々が持って来たブーケをマリア像につけていました。何人もの男の人がハシゴのような土台に上ってブーケを差し込んでいますからマリア像の大きさが分かります。今日の夜には白いマントを身につけた素敵なマリア様が完成します。


献花行列をみて新市街にでるセラーノス門に向かって歩いていると、献花行列を済ませた衣装を着た人々が三々五々集まっています。カメラを向けたら心地よく撮らせてくれました。




セラーノス門旧市街地側

新市街側


夜の街を彩るイルミネーション

バレンシアの火祭りの間、街中をイルミネーションで飾ります。ホテルを９時半に出発しました。イルミネーションにライトアップされた張り子の人形が昼間よりずっと華やかに見えます。

まるでクリスマスのよう・・・神戸のルミナリエのよう。驚いた事に日本人の可愛い留学生２人に会いました。向こうも日本人と初めて会ったと驚いていました。「気をつけなさいね」とつい親心（おばあさん心）が出てしまいます。何を勉強しに来ているのでしょうね。












　
漫画に出て来るような人形

　　
巨大な張り子人形です。これも燃やすのでしょうか？


エキゾチックな女王様？



子供用の張り子人形も沢山作られていました

３月１９日

翌朝、セラーノス門でバスを下車、旧市街に入り、ヴィルヘン広場に向かいます。広場には白いマントを身につけた大きなマリア様が完成していました。マリア様だけでありません。色とりどりの花が広場を埋め尽くしていました。

２日間の献花行列でみんなが献げた花束です。市民参加のお祭りです。



白いマントを着たマリア様



天使も花を捧げています


マリア広場は花束で埋もれていました。
バジリカ教会にも花のカーテンが出来上がっていました。


マスクレタ（白昼の花火）

開催期間中、２時から５分間、市庁舎広場でマスクレタ（爆竹）が行われています。ホテルに戻る途中たまたま遭遇しました。２時１０分前、５分前に号砲が鳴って時間ぴったりに始まりました。
ババババンと頭上を轟音が鳴り渡ります。身体に響くほど凄い。思わず耳を塞ぎます。怖いくらいの人混みで、ロケットは遠くから観るだけ、爆竹の音だけで煙は見えませんでした。


市庁舎広場のロケット

マスクレタは地区ごとに行われていました。
歩いていて何回か出会いましたが、凄い爆音と共に爆竹が炎を上げながら迫って
きて怖かったです。市庁舎より迫力がありました。


頭上に爆音が鳴り響きます

煙で見えません


今晩見学する張り子人形をチェックしながら、ホテルへ戻ります。
１年かかって造りあげた人形を燃やしてしまうのかなと思い乍ら・・・

　　

　　　


巨大な張り子人形がありました


ギリシャ神話をモチーフにしたようです。これを今晩観るそうです


なぜか観客に向かって札束を差し出している
トランプ大統領が・・・大統領も燃やされるのかしら？


ホテルに戻りしばらく休み、各自夕食を済ませて、
２１時半、いよいよクレマ（火祭り）を観に行きます


まず決めていた巨大なファリャの横の子供用のファリャの前に陣取ります・・・


火を扱うので大勢の消防士が控えていました。街中の消防が集まっている
ようですきっと近隣の町からも応援がきているのでしょうね。





子供用のファリャから火がつけられました。


まず花火と爆竹が仕掛けられました。


勢いよく炎が上がりあっという間に燃やされていきます。
勉強中の人形が、かえるが・・・かわいそう。　私達も熱い熱い。



昼間見た巨大なファリャの反対側です。




巨大な張り子に花火と爆竹で点火されました。
燃えだすと勢いがつき大きな炎となってクライマックスを迎えます。


あっという間に燃えてつきてしまいました。

トランプ大統領はどうなったのでしょう。私からは見えませんでしたが、
聞いたところ中々燃えず係の人が炎の中に放り込んだそうです。


その後、翌日午前１時に市庁舎広場に置かれた張り子のロケットが炎に包まれて
祭が終わりました。 ホテルに帰っても興奮さめやらずで、
明朝は寝坊しないようにと早々床につきました。


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