時たまオリーブ畑や、樫の木が広がる荒涼とした大地をバスは走ります。グアダルーペから１時間余りで次の観光地トゥルヒージョに着きました。 トゥルヒージョはエストレマドーラ地方の真ん中、小高い丘にありました。古代ローマ時代から都市が建設された古い町でトレドとポルトガルのリスボンを結ぶ交通の要衝地として栄えました。

トゥルヒージョは１６世紀に多くのコンキスタドーレス（征服者たち）を輩出したことで知られています。コンキスタドーレスとは１６世紀の大航海時代に新大陸発見や探検事業に出かけて、植民地化を推し進めた征服者たちの事をいいます。 ペルーを征服したフランシスコ・ピサロ。アマゾン川を探検したフランシスコ・デ・オレリャーナなどが有名ですが、その他多くの人たちがトゥルヒージョから出かけていきました。 彼らが新大陸から持ち帰った金銀などの富によって多くの宮殿、邸宅が建てられました。トゥルヒージョには現在も貴族の邸宅が多く残っています。

サン・マルティン教会の左、建物の屋根の上にアラブ城の城壁が見られました。キリスト教の攻撃に備えるためイスラム教徒によって築かれたそうです。 この時これからアラブ城にまで上るとは思いませんでした。

家の角にはプラテレスコ様式の巨大な 紋章が飾られていました。

中央にはピサロ家の紋章 松の木の両横に２頭のクマ

クマの紋章の下に８人が鎖でつながれています。 南米で現地民を虐殺し征服した事が誇らしかったのでしょうか？自分の偉業を誇示する最たるもの・・・のよう その下バルコニーの両横の柱には顔が２つづつ彫刻されていました。左の柱にはピサロとその妻、右の柱にはピサロの弟エルナンドと妻が彫刻されていました。 屋敷の角にバルコニーがあるのも面白い

オレリャナはフランシスコ・ピサロとともにスペインによるインカ帝国の征服に参加し、その後オレリャナの船は本隊から分離されアマゾン川の河口まで下ったとされています。 航海の途中、オレリャナを襲った部族の中に女の戦士もいたと彼が思いこんだことから、ギリシア神話の“アマゾン”にちなんでアマゾン川と名付けたといわれています。オレリャナはアマゾン川を下った後の航海中に死去したといいます。 サンタ・マリア教会の前にオレリャナの像がありました。

プラセンシアは１２世紀にアルフォンソ８世により築かれた町です。今回プラセンシアのパラドールに宿泊しました。市壁で囲まれた旧市街にあり、１５世紀半ばに造られたドミニコ修道院をパラドールに改装しました。修道院は１９９０年まで使用されていたそうです。わたしたちが泊まったのは修道士たちの部屋だったといいます。