革命広場

キューバ革命について（カリブの歴史）

コロンブスのアメリカ大陸発見とスペインによる植民地化

キューバの歴史は、なんとコロンブスの大航海時代に遡ります。キューバは、コロンブスが１４９２年に第一次航海で「発見」した島なのです。
当時住んでいた先住民は虐殺、奴隷化され、そして大陸から持ち込まれた病気などにより、１世紀もたたないうちに滅ぼされました。

コロンブスが西インド航路を開いたことにより、スペイン人をはじめ大陸から競って人々が訪れ、ヨーロッパ風の町が建設されていきました。主要産業はサトウキビで、滅ぼした先住民の代わりの労働力としてアフリカから大量の奴隷が連れて来られました。大規模な奴隷市場が置かれ年間１万人もの黒人奴隷が農園主に買い取られたといいます。
サトウキビ農園は奴隷を酷使して莫大な利益を生み出しました。そうしてキューバは植民地化され、スペインと中南米の中継地点として開発されていきました。

カリブの海賊

南米から金や銀を積んだ商船をねらって海賊がカリブの海を荒らし回るようになります。（カリブの海賊は現在でも知られていて、「デズニーランドのアトラクション」やパイレーツ・オブ・カリビアンの映画にもなっています。）

最初はフランスやイギリスがスペインが独占する富を奪うために派遣した私掠船だったといいます。海賊は海上だけでなく町にも襲撃をかけてきたため、スペインは海賊から守る為に要塞を建設しました。（ハバナのモロ要塞やブンタ要塞がそれです。）

１９世紀になって奴隷解放運動によってカリブの奴隷制度が廃止されました。アフリカからカリブの島々に運ばれた奴隷は実に１５００万人以上ともいわれています。

１９世紀半ばまでにキューバは世界最大の砂糖生産地となり、たばこの生産、葉巻も盛んになっていきました。同時に、１８３０年代からスペインの支配者が次第に抑圧的となり、キューバ国内の入植者の間では次第に独立の気運が高まり、一時キューバのアメリカ編入を目指す運動も起きてきました。
それはヨーロッパ諸国の植民地になっていた島々でも同様で、各地で独立の機運が高まってきました。しかし現在でもイギリス領は英連邦（ケイマン諸島など多くの島々）、その他カリブの島々はフランス、オランダ、アメリカなどの海外県となっている国があるようです。

スペインからの独立戦争

キューバはスペインの植民地支配から独立する為、第１次独立戦争が１８６８年に起こりましたが鎮圧されます。ホセ＝マルティを指導者とした第二次独立戦争で１８９５年に共和国として独立を宣言します。しかしスペインの弾圧はなおも続いたといいます。

アメリカのスペイン宣戦

それは１８９８年のスペイン・アメリカ戦争（米西戦争）による米国の介入まで続きました。米国の勝利により、キューバはアメリカの軍政を経て、１９０２年５月２０日に４００年に及ぶスペイン支配から解放され、キューバ共和国は正式に発足しました。
しかし今度はアメリカ合衆国がキューバを半植民地として支配し、アメリカの軍政下に入りました。そのため１部のアメリカ人だけが私腹を肥やし、キューバ人は食べる物がない貧しい状態でした。

第二次世界大戦後の１９５２年に軍事クーデターによってフルヘンシオ・バティスタが政権を獲得しました。しかしこれまでの政権同様に親米政策をとりアメリカからの援助をうけていました。アメリカにとってキューバは戦略的に重要な位置を占めていました。さらに砂糖やバナナなどの作物のアメリカへの供給地として大切な島となっていたのでした。

アメリカからの革命運動

親米政策をとるバティスタ政権に対する国民の不満がつのり、１９５３年７月２６日バティスタ政権打倒をかかげて蜂起し、革命運動を率いたのが、カストロ兄弟でした。モンカダ兵営を攻撃しましたが、奇襲は失敗し、政府軍に包囲され、彼らの一部はその戦闘で死亡し、政府軍は逮捕者の多くを見せしめとして虐殺したといいます。この７月２６日は現在の革命記念日になっています。

チェ・ゲバラとの出会い

カストロ兄弟は程なくメキシコに亡命、再度バティスタを倒すために戦う準備を行います。メキシコ潜伏中にカストロはアルゼンチン人の医師チェ・ゲバラに出会います。
チェ・ゲバラはメキシコでゲリラ戦の訓練を行い１９５６年１１月、現地調達した８人乗りのプレジャーボート「グランマ号」に、８２名もが乗り込んでキューバに密航したのでした。それは小さな船に大勢乗ってあまりにも過酷な航海でした。どうにかキューバに着きましたが、バティスタ政権軍の攻撃を受け、山中に逃げ込みました。それでもゲバラたちはゲリラ戦を展開しながら勢力を拡大していったのです。

革命軍の勝利

１９５８年、革命軍は攻撃を始め、各地で勝利を収めます。１９５９年１月１日にバティスタはドミニコ共和国へ亡命、間もなく革命軍はハバナを占領して８日にはカストロがハバナ入りし、名実ともに革命軍の勝利が確定したというわけです。

キューバ革命は、当初より社会主義革命を志向したわけではなかったようです。カストロは「アメリカ合衆国に対して変わらず友好関係を保つ」と表明していたそうですが、アメリカ合衆国は傀儡政権だったバティスタ政権を操って、キューバに多くの利権を持っていたアメリカの大企業やマフィアからの圧力を受けさせます。

ソ連との歩み

アメリカ合衆国との関係回復が不可能であると判断するとソ連へ接近し、１９６１年に社会主義宣言を示します。これに対してアメリカ合衆国は厳しい態度で臨みました。アイゼンハワー政権は対抗策としてキューバの最大の産業である砂糖の輸入停止措置をし、キューバに対して国交断絶を通告しました。１９６２年ケネディ大統領はキューバの経済封鎖を行うと発表した。

キューバ危機

同年、キューバにおけるソ連のミサイル基地の建設とミサイルの搬入が明らかとなります。
それは核戦争の危機となり、世界を震撼させる事態になりましたが米ソの妥協で危機を回避する事が出来ました。

ソ連崩壊後は孤立した状態となりアメリカの経済封鎖は極端な物不足へとキューバ国民を陥れました。

現在

キューバ政府は観光業や輸出に力をいれて現在それが大きく実りつつあるといいます。２０１０年キューバ政府は革命以来初めて自営規制を緩和します。現在は個人事業主、個人経営のレストラン、土産物屋、民宿が増えています。（私達が利用したレストランはすべて個人経営でした。それぞれに工夫して素敵なレストランになっていました）不動産や車の売買が認められ市場競争が日に日に激しくなっているようです。

（経済封鎖によって車も輸入できませんでした。５０年前の車を修理して大切に使用していたそうです。ですからハバナで見る車は５０年前のクラシックカーや丸みをおびた車ばかりだったのです。現在はクラシックカーを観光に使って私達を楽しめるようにしています）

キューバの雪融け

２０１４年１２月、キューバ政府は革命以来対立していたアメリカとの国交正常化を発表します。２０１５年７月、両国の大使館が開設され、キューバとアメリカの距離が急速に縮まりつつあるといいますが・・・・

昨年の事です。

７日目　　ハバナ→カンクンへ
今日はキュウバ到着日に政府の都合で観光できなかった革命博物館、革命広場に行きます。午後メキシコに戻り、カンクンに行きます。世界有数のリゾート地といいますがどのような所でしょう。
朝焼けのハバナ湾も今日でお別れです。

羽根を閉じていたクジャクもお別れが分かるのでしょうか。立派に羽根を広げていました。

キューバ革命
旅行に出るまでキューバについて社会主義国、キューバ危機などを聞いた覚えがある位で殆ど知らない私でした。キューバ革命は、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラらが中心となってアメリカ合衆国の影響が強かったフルヘンシオ・バティスタ政権を打倒するに至った武装解放闘争のことを指します。このページ下に詳しく書きました。
革命博物館
革命博物館は、第３代大統領マリオ・ガルシア・メノカルから第１４，１７代大統領フルヘンシオ・バティスタ・イ・サルディバルまで大統領官邸として使用していました。１９５９年のキューバ革命後に博物館になりました。
	革命博物館はアーチと回廊で中庭を囲むスペイン・コロニアル様式の壮麗な建物でした。

キューバ革命に関する資料や写真が展示されていました
ゲバラとカミーロのゲリラ戦の様子が再現されてました。
庭には、チェ・ゲバラやカストロらが革命時に使用した戦車や戦闘機などの残骸なども展示されており、革命の凄まじさに目を伏せたくなります。

革命広場
とても広い広場に来ました。ハバナの象徴ともいえる革命広場でした。広場で目につくのは、やはりチェ・ゲバラとカミロ・シエンフエゴスの壁画でしょう。大きな肖像画が描かれた２つの建物は広場の左右に分かれて建っています。日差しは強く、気温も高いのでクラクラしながら広場の端から端まで観て回ります。チェ・ゲバラはキューバ内務省、カミロ・シエンフエゴスは情報通信省の建物だそうです。
チェ・ゲバラアルゼンチン生まれの政治家、革命家で、キューバのゲリラ指導者。	カミロ・シエンフエゴスキューバ革命に重要な役割を果たしました。革命直後に飛行機事故で亡くなり、死後５０年を記念して造られたそうです。
チェ・ゲバラやカミロ・シエンフエゴスのある建物の広場の向かい側に、キューバの国民的英雄ホセ・マルティを称える記念碑が高く聳えていました。
上から見ると星形の形をしているメモリアル記念博物館	ホセ・マルティ（１８５３～１８９５）は作家でジャーナリストでした。キューバ革命で先頭に立ち活躍しましたが、１８９５年に戦死しました。