パウロはトレ・フォンターネ（３つの泉）修道院で斬首されました。その頃、墓地は城壁の外に造られていたので、パウロの遺体もローマ郊外のテレベ川近くに埋葬されました。フォーリ・レ・ムーラとは城壁の外という意味です。ですから大聖堂は「城壁外の聖パウロ大聖堂」ともいいます。 ４世紀コンスタンティヌス帝はパウロの墓の上にバジリカを建てました。その後巡礼者が多くなったため、４世紀後半、また８世紀後半に拡張再建され、当時のローマ教会の中で最も大きな（サン・ピエトロ大聖堂が建立されるまで）美しい教会となりました。

パウロのお墓の聖堂にしては意外と綺麗で新しそう、そして大きい、これが第一印象でした。それもそのはず８世紀後半に改修された聖堂は９世紀のサラセン人の略奪、１４世紀の地震と被害を受け再建されましたが、１８２３年の大火災で正面の一部、横断アーチ、交差部、中庭を残して再び全壊してしまいました。 すぐに創建当時のバジリカ様式を守り１８５４年に再建されたといいます。ですから目の前に建っているのは１９世紀の聖堂なのです。

ファサードの上はモザイク画で輝いていました。ここも大火事で崩れましたが、１４世紀に再建されたときのモザイクの断片を集めて描いたそうです。モザイクは永久に輝きを失わないのですね。

天蓋とパウロの墓

交差部中央に１２８５年に作られたゴシック様式の天蓋があります。天蓋の地下には４世紀に出来た大理石の祭壇があり「パウロ、使徒、殉教者」という字が彫り込まれていました。その又地下に１世紀のお墓があることは発掘調査で判明されているそうです。パウロが埋葬された墓です・