百年戦争(１３３７〜１４５３） １４世紀、フランスの王位継承権をめぐるフランスとイングランドの戦争が起こりました。カぺー家のフランス王シャルル4世の後、従兄弟のヴァロア家フィリップ6世が王位を継ぎました。しかしシャルル４世の甥であるイギリス国王エドワード3世はフランスの王位継承権があると主張して宣戦布告したのでした。１３３７年から１４５３年のボルドー陥落までの約１００年間にわたる戦争をいいます。 この戦争の背景には、 �@フランスを統一支配する為にアキテーヌを確保したいというフランス王フィリップ６世と、 �Aイギリス国王エドワード３世がブリテン島を統一支配を目指すためには、スコットランドと結び、圧力をかけてくるフランスを排除する、 という２ヶ国それぞれの思惑、２人の王の野心がありました。 これにブルゴーニュ公国の内紛への両国の介入が絡まり周辺諸地域を巻き込んで戦争が広がっていきました。 イングランドのエドワード黒太子（黒い甲冑から）は１３４６年クレシーでフランス軍を破り、ポアティエの戦いではフランス王ジャン世を捕らえるなどイングランド軍は優位に運び、１３６０年パリを包囲して講和条約を結び、フランスの広大な地を占領しました。 このようにイギリス軍が初めは優位でしたが、ジャンヌダルク（オルレアンに行けましたら詳しく書きます）が現れ、オルレアンの解放を境に戦況は逆転していきます。最終的イギリスは敗れ、フランスの領土の多くを失いました。同時に凶作で飢饉となり、国は疲弊していきます。さらにイタリア、フランスに上陸したペストが何回ともなく大流行し、人口が激減してしまいました。 この戦争後に薔薇戦争が起こり、イギリスはますます混乱の時代が続きます。

薔薇戦争 この時代は混乱に混乱を呼ぶ時代でした。百年戦争によりヘンリー６世の権威は失墜し、ヨーク公リチャードがランカスター家に反撃しました。ヨーク公リチャードは戦死、嫡男エドワードはヘンリー６世を退位させ、１４６１年エドワード４世として即位し、ヨーク朝を成立しました裏切りや反撃が続き国内は混乱し、各地に戦乱が起こりました。 １４８５年、フランスに亡命していたランカスター家のヘンリー・テューダーが、リチャード3世を破り、３０年におよぶ薔薇戦争は終結しました。テューダーはヨーク家のエリザベスと結婚し、ヨーク家と和解してヘンリー７世としてテューダー朝を成立しました。 ランカスター家の紋章が赤薔薇、ヨーク家の紋章が白薔薇でしたので薔薇戦争と呼ばれています。テューダー朝の紋章は赤と白の薔薇を組み合わせて作られたということです。	ヨーク家　　ランカスター家　　 白の薔薇の紋章　　赤薔薇の紋章
	テューダー家の紋章。 ランカスター家の赤薔薇とヨーク家の 白薔薇を合わせた形になっています