パンティオンから南に行くと、ヴィットリオ・エマヌエーレ２世通りに面して掘り下げられた遺跡があります。ここは４つの神殿とポンペイウス劇場の一部があった所で、共和政ローマ時代の「聖域」でした。

アルジェンティーナの聖域には４つの神殿が建っていました。(右の図A～D）　現在の地図にローマ時代のポンペイウス劇場を重ね合わせてみました。 ポンペイウス劇場の舞台裏は美しい中庭になって回廊が張り巡らされていました。クリア・ポンペア（元老院議会場）がある東側の回廊はアルジェンティーナ神殿の後ろになります。 回廊に囲まれた中庭はプラタナスの木立が植えられ、噴水が並ぶ美しい庭だったそうです

アルジェンティーナの聖域

ポンペイウス回廊の後方にある共和政期の４つの神殿跡で２０世紀になって発掘されたといいます。下の写真右AはBC２４１に、カルタゴに勝利したことを記念して建てた神殿です。B神殿の６本の柱が残っている円形はBC１０２にゲルマン人に勝利した記念に建てられた神殿だそうです。その左に２つの神殿の遺構が見られます

円形の左C神殿はBC３世紀に泉と森の女神に献納され、その左のD神殿はシリア王の海戦勝利し、海路の神ラールに奉納したそうです。現在は殆ど道路の下になって見えません。

ユリウス・カエサルはポンペイウス劇場の回廊、元老院議会場で暗殺されたといわれていますが、その場所はこのアルジェンティーナ広場で円形の神殿の６本並んた柱の左側の後ろにあたるそうです。

６本並んだ柱の左後ろにある凝灰岩はポンペイウス劇場の回廊の東側にあったクリア・ポンペイア（元老院議場）のものだそうです。ここでカエサルは刺殺されたといわれています。

ポンペイウス劇場の観客席だった所には劇場跡に沿った湾曲した建物が建っています。劇場の壁は現在もホテルやレストランの地下に残っているそうです。 この聖域は猫を保護しています。猫好きの私は探しましたが２，３匹いただけでした。